1 地域のファミリードクターとして
2 糖尿病・生活習慣病の診療
糖尿病
糖尿病は血液中の糖(ブドウ糖)が増えすぎてしまう病気です。糖尿病では血管が傷害されます。血管は全身をくまなく巡っていますから、このような状態を放置すると障害は全身に及びます。比較的細い血管が障害されると、腎症や網膜症、神経障害などの合併症がおこり、進行すれば腎不全、失明に繋がります。大きな血管がつまることによって、主要な死因ともなっている、脳梗塞、心筋梗塞などの合併症を起こします。なるべく早い段階で、合併症の状態を把握し、その進行を止めることがキーとなります。
ひとくちに糖尿病といっても、1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型はインスリンを作る膵臓の細胞が破壊されて引き起こされる糖尿病で、インスリン治療が不可欠となります。2型にはやせ型とメタボ型があります。やせ型は、遺伝的にインスリンの分泌が低下して起こるもので、肥満がなくても発症します。メタボ型は食事・運動などの生活習慣の乱れによって起こる糖尿病です。インスリンの分泌は保たれていても、その効果が弱まって、血糖値が上昇します。多くの方に、高血圧、高脂血症、脂肪肝などの合併が見られます。この様なケースでは、食事・運動療法が基本となります。生活習慣を変えないまま薬物療法が先行してしまうと、薬がやがて効かなくなり、薬の量も増え(増やされる)、悪循環に陥ります。
糖尿病の治療目標は、病歴、合併症のあるなし、年齢、妊娠など、個人の持つバックグラウンドによって様々です。本院では、血糖、HbA1c、尿検査(腎機能の評価)などの測定はもちろんですが、外来で簡単にできる眼底検査(微小血管の検査)、動脈硬化の検査(血圧脈波検査・頸動脈エコー検査)を利用して、病気の状態を把握し、患者様の治療目標を立てています。無症候性虚血性疾患等が疑われる場合には、24時間ホルター心電図検査を行うこともあります。
生活習慣病
上記糖尿病以外でも、高脂血症、高血圧、高尿酸血症などは生活習慣と深く結びついています。高脂血症単独でも動脈硬化は進行しますが、これらが合併した、いわゆるメタボリックシンドロームという病態では、よりリスクが高まり、動脈硬化が原因で寿命を縮めることになります。当院では、動脈硬化の進行を防ぐため、動脈硬化の検査(血圧脈波検査・頸動脈エコー検査)を導入し、まず現状を把握させて頂きます。更に合併しやすい脂肪肝の一部は、非アルコール性脂肪肝炎という慢性肝炎から肝硬変・肝癌にも進行してしまうことがわかってきたため、注意が必要です。生活習慣を改善するため、定期的な検査と、食事・運動療法を基礎としたトータルケアを目指しております。
例えば、症状がなくても血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかり、動脈硬化、心肥大が進み、脳卒中や心筋梗塞、心不全、不整脈、動脈瘤、腎不全などが引き起こされ、循環器病死亡率が高くなります。本院では、家庭での血圧自己測定をお勧めしています。家庭ではストレスの少ない状態で血圧を測定することができ、実際に家庭血圧は心臓・血管の障害と強く関係していることがわかっています。患者様のバックグラウンドによって、高脂血症・高血圧・高尿酸血症の治療目標も異なってきます。例えば高齢の方の高脂血症は、薬物療法が不要な場合もありますが、糖尿病、狭心症・心筋梗塞の合併がある場合などでは、積極に薬物治療を行います。塩分摂取量が多い方は、薬物療法よりもその制限が大事な場合があります。それぞれの患者様のライフスタイルに合った治療を行います。
3 甲状腺などホルモン疾患の診療
甲状腺は、身体の代謝を活発にする甲状腺ホルモンを作っています。このホルモンが過剰に分泌されて甲状腺機能が亢進する「バセドウ病」と、甲状腺が破壊される「橋本病」、そのために甲状腺ホルモンの分泌が減少する「甲状腺機能低下症」が主な甲状腺の病気です。
動悸がする、疲れやすい、食べているのに体重が減る、手が震える、何もしていないのに汗をかく、暑いのが苦手になった、いらいらして落ち着かない、字が下手になった、目が以前より飛び出しているような気がする、(甲状腺機能亢進症の症状の例)
疲れやすい、顔や手がむくむ、肌がかさかさする、寒さに弱くなった、声がかすれる、便秘がひどくなる、最近ぼーっとしていたり元気がないと言われる、(甲状腺機能低下症の症状の例)
甲状腺が腫れている、しこりがある、
微熱があって、甲状腺に触ると痛みがある、(亜急性甲状腺炎の症状の例)
といった症状を自覚している方は、お気軽にご受診ください。
甲状腺の病気のほとんどは、本院外来で行える、血液検査(甲状腺ホルモン、自己抗体、腫瘍マーカー)と超音波検査で診断できます。甲状腺機能亢進症や低下症の内服薬でコントロールできることがほとんどです。バセドウ病では、放射線療法を選択する事も可能であり、その際は関連病院にご紹介しております。甲状腺腫瘍の良性・悪性の診断には、吸引針生検が最も信頼度の高い検査です。吸引針生検の必要があれば、関連病院に紹介させていただきます。
時として、難治性の糖尿病や高血圧症の中に、ホルモンの病気が潜んでいることがあります。そういった病気が見つかれば、原因となる内分泌疾患の治療を行います。その他、電解質異常をきたすホルモンの病気、骨粗鬆症の診療も行っています。
5 地域の主幹病院との連携
連携病院:
横浜市大・市民総合医療センター病院
横浜市大附属病院
みなと赤十字病院
国立病院機構 横浜医療センター
横浜中央病院/地域医療機能推進機構
日本医科大学附属病院
鈴木内科診療室
045-261-3320
受付 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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